こんにちは!プロモデラー林哲平です
みなさま、KDMCお疲れ様でした!

それでは、再生構築王の発表に移りたいと思います
映えある初代王者は、SOMA氏の「ストロングブル」を選定させていただきました
再生構築王選定総評!
数多くの力作が集ったKDMCですが、どの作品も素晴らしく、どの作品を選ぶか、というのは大変悩みました

世界観でいえばあっきー氏の「「アルバイト前のミーティング」が

作品の完成度であればTom-k氏の「Slow Rat」がきわだっています

その中で、SOMA氏の作品を選ばせていただいたのは、優れた工作や構成力のみならず、作品自身が持つストーリー,、そして魂が、大変素晴らしいと感じたからです

工作面では、私のこれまで制作してきた機体の構成に合わせながらも、自分の個性を打ち出したオリジナルを組み上げる再生構築力に

金属パーツを使い、どうしても大味になりがちな、日用品の精密性を高めたり

レッドブルのプルタブに捺印されたマークをエンブレムとして使ったり

RIC(リアルイマジネイティブコーティング)では、筆目がつきやすい、シルバーのドライブラシを丁寧に行いつつ、細部のディテールをメタリックカラーで塗り分けるメリハリの付け方など、こちらもより一歩踏み込んだ作業に惹かれました
そして、私が惹かれたのはこの作品の持つ、物語性です
SOMA氏は現役の学生さんで、この「ストロングブル」は夏休みの自由工作として学校に提出されたということ
これは私、本当に驚きました
そもそも、ケルバーダインは「夏休みの自由工作」がルーツにあります

子供の頃、そのあたりの日用品で作った貯金箱などを、学校に提出した記憶は、誰にもあるのではないでしょうか?
それが、本当の本当に、ケルバーダインがリアル夏休みの自由工作になっている!

このストロングブルは、ベースが貯金箱になっているんですよ
この作品を受け取った先生が、いったいどんな反応をするのか‥‥?
これぞまさに、究極のバトルストーリーではないでしょうか?
もちろん、これは、SOMA氏が学生であるからこそできることではあります
私は普段、模型コンテストなどで採点するとき、本人の属性、年齢や性別で点数に優劣をつけないようにしています
8歳の小学生が作った作品も
20の美女が作った作品も
54歳のおじさんが作った作品も
等しく、純粋に模型の完成度で評価されるべきであるというのが信念です
それを踏まえて、SOMA氏の作品は、年齢に関係無く完成度も極めて高く、今回のKDMC王者に遜色無い出来栄えであると判断しました
そして、この作品の優れた点は、「人を動かした」というところです
私は最も優れた模型というのは、ただ塗装が美しいとか、精度が高いというだけではない「人を動かす」模型であると思っています

「Slow Rat」を制作されたTom-K氏はSOMA氏のお父さんなのですが、息子さんが作っているところを見て、いてもたってもいられず、ケルバーダインを制作してしまったということ
まさに、父をも動かす、熱い魂が、秘められているということなのです
完成度、ストーリー性、そして魂と、模型において大事なものが、全て凝縮されているんですよ
ここに、SOMA氏に初代再生構築王の称号を贈りたいと思います
おめでとうございます!
第一回「KDMC(ケルバー・ダイン・ミキシング・コンペティション)」の参加作品は、下の特設ページにて、全作品が収録されております。
数々の力作を、ぜひ!ご覧ください!

コメント