ミキシングワールドにおいて、建材から兵器まで、幅広い活用が成されているのが「PETボトル」だ。
今回は今や戦略物資として注目される「PETボトル」について解説する
PETボトルとは?
PETボトルは旧人類が主に飲料を保管するために使用した容器である
PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)により構成されている
この素材は透明度が高く、中身をきれいに見せることが可能で、軽量、かつ衝撃につよく割れにくい
また、酸素や二酸化炭素を通しにくい性質のため、内部の品質を長期間保つことができた
その特性を活かし、家などの建造物や、貯水タンクとしてよく使われている。
また、大型のPETボトルに水を入れ、並べておくとガット避けになると信じられており、ガットが生息する地域では見かけることが多い。

PETボトルによる、ロケットの開発
当初、建築素材として使われていたPETボトルだが、思わぬ活用法を発見した人物がいた
ティンシュアヤ族の開祖、ティンシュアヤと、サンディブラウン博士である
ティンシュアヤはグロッフ在住のPGを親に持つ裕福な階級の出身であり、旧人類の残した情報に数多くアクセスすることができた
その中に、PETボトルを水圧で飛ばすロケットの制作法を記した書物を発見したのである
冒険心に富み、空へと強い憧れを抱いていたティンシュアヤはさっそくPETボトルを改造したロケット「PETボトルロケット」のグロッフ郊外で実験を開始したが、上手くいかなかった
決断力と勇気に溢れた冒険家として名高いティンシュアヤだが、彼はロケット開発において重要である精密な計算が苦手だったのだ
失敗を繰り返す中、郊外のスラム出身の青年、サンディブラウンと知り合いになり、共に実験をすることになった
サンディブラウンはタコのような頭足類型の頭をしており、異形が多いグロッフの下層階級「ジャンクパーツ」の中でも、特別「醜い」と蔑まれていた
だが、極めて優れた頭脳をしており、その理論と工作力により、PETボトルロケットの性能は飛躍的に上昇していったのだ
しかし、死の電波を有人飛行で突破することは叶わず、彼らの興味は次第に空から、水中へと移っていく
このとき、PETボトルロケットの技術を応用して開発されたのが水中型ケルバーダイン「ぜヴァント」である


ティンシュアヤ族は二人の技術を受け継ぎ、現在でも多くの者がPETボトルの扱いに長けている
報復兵器「L2ロケット」
MC37年、リザレクト首都 王都リザレクティアを、突然の轟音が襲った。
遠方より飛来した巨大なロケットが、街に炸裂したのである
ロケットのペイロードには毒ガスが搭載されており、数多くのケルバーが命を落とした
毒ガスは塩素ガスで、旧人類が使った洗剤を二種混合して発生する装置が残骸から発見された
これが報復兵器「l2ロケット」である
MC35年のエグゼクト殲滅戦の報復目的で開発されたこの兵器は、巨大なl2型PETボトルを多段式で接続したもので、800メートルもの遠方から攻撃が可能であった
これを開発したのは、サンディブラウン博士の息子であるダークブラウン、孫であるレッドブラウンだった
l2ロケットはあまりにも非ケルバー道的な兵器として、MC38年のシマオザ条約でリザレクトのゼミカと共に禁止されることとなった

しかし、l2型ペットボトルは近年価格が高騰していおり、リザレクト、エグゼクト共に次なる戦いに向けて、水面下でかき集めていることは明白である
ティンシュアヤ族の開祖二人の故郷は、リザレクティアと名を変える前のグロッフである
彼らの故郷が、自ら生み出したPETボトルロケットで蹂躙されたのは、歴史の皮肉とも言えるだろう
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