ミキシングワールドに暗い影を落とした負の遺産、それがOSKドールだ。
今回はOSKドールのルーツや、ケルバーダインに与えた影響について解説する。
OSKドールとは?
OSKドールは主にハンドレッドから産出される、巨大な人型の物体である
これは旧人類が信仰していた「オシ教」と呼ばれる宗教の儀式に使った呪いの人形であることが定説となっている
彼らは「オシ」と呼ばれる神を崇め、多大なる財を奉納し、OSKドールを自らの信じる「オシ」の姿に飾り立て、崇め奉ったという。いわゆる偶像崇拝である。
OSKドールは再生構築歴に入るまではほとんど産出されておらず、実用的な使い道も無かった
特に、頭部は発見されておらず、全て失われているのではないか?という再生構築士も多かった
どんな意味を成すのか判明していないが、オシ教徒が記した謎の文献が伝わっていたためである
学校もバイトも、なんだかんだ忙しくて、でもね、〇〇くんのこと考えると全部ふっとんじゃうんだ。〇〇くんは私のスーパースター。だから、この人形を買ったの。そう、あの笑顔がいつも見たい!って、もう我慢できなくて。
最初はただの人形かなって思ってた。でも、ブリスターを開けた瞬間、なんだか「がんばれよ」って言われてる気がして。〇〇くんの笑顔を書き込んだら、すっごい嬉しくなって。励まされて、試験の時も、悩んでる時も、いつも一緒だったんだ。
でもさ、〇〇くんっていつも笑ってるわけじゃないじゃん。ステージでキラキラしてる時もあれば、真剣な表情で何かを伝えようとしてる時もある。それが私、どうしてももっと〇〇くんの色んな顔が見たくなって。だから、追加で頭部をいっぱい買っちゃった。お小遣い、ほとんどなくなっちゃったけど、後悔はしてないよ。
部屋の〇〇くんコーナーはもう、私の宝物。朝起きたら〇〇くんの笑顔で一日が始まって、寝る前も〇〇くんの優しい顔見てから眠るんだ。その日の気分やあったことによって、〇〇くんの表情を変えるのが日課になってる。試験前は一緒に真剣な顔で、終わったら安堵の笑顔でほっと一息つくんだ。
〇〇くんの人形って、ただの人形じゃないんだよ。私と〇〇くんの距離を縮めてくれる、すごい存在。〇〇くんのいろんな顔を見ることで、〇〇くんのこと、もっと深く知れる気がする。そしてね、自分のこともちょっとは受け入れられるようになったかな。〇〇くんと過ごす時間が、私にとって、一番の元気の源。これからも〇〇くんと、いろんな表情で、一緒にがんばっていこうって思うんだ。
オシ教徒サトウ・アヤカの日誌より
オシ教には「神の多面性を複数の頭で表現する」という独特の文化があったのだ。
このことから、頭部のほうが需要が高く、現存していないのではないか? と理由が推測されていた
OSKドールはその巨大さ、人間に近い形から、人間を巨人として崇めるギガセンチネル教のごく一部の神殿で礼拝用に使われているにとどまっていた。
だが、あるとき、リザレクト勢力圏のハンドレッドで大量のOSKドールが発掘された
それまで発見されていなかった、頭部まで含めた状態で、である
リザレクトの最高指導者、教皇センチネルはこの発掘品に改めて着目する
頑強な関節強度、広い可動範囲、カスタマイズと汎用性の高さは、ケルバーダインに極めて向いた適正であった
だが、人体に近すぎる形状ゆえ、ミキシンクロレートが高くなりすぎてパイロットに危険を及ぼすため、OSKドールをケルバーダインに使おうと思うものはいなかったのだ。
教皇センチネルはOSKドールを使った特別攻撃型ケルバーダイン「ゼミカ」の開発を命じる
基本の形状がほぼできあがっているため、ゼミカは短期間かつローコストで大量生産が可能だったのだ
「ゼミカ」に騎乗した特別攻撃部隊「ギガンテス部隊」は絶大なる戦果をあげたが、騎乗したパイロットの99%が死亡している。
エグゼクト、リザレクト双方に恐れられたゼミカを産んだOSKドールは、本来は神の依代として作られた神聖な存在であった
これを戦争の道具へと堕落させたことにより、ミキシングワールドはオシ教徒から呪いを受けているのかもしれない
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