ケルバーダインとは?「再生構成率(ミキシンクロレート)」や「RIC(リアルイマジネイティブコーティング)」など基本構造を知る

ケルバーダインとは?

ケルバーダインはミキシングワールドで運用されている最も一般的な機械であり、兵器である。
この項目ではケルバーダインの誕生の歴史から、その特徴を解説していく。
ケルバーダインが誕生するまでのミキシングワールド成立以前の歴史については「再生構築機界の歴史」を見ていただきたい。

目次

ケルバーダインの基本構造

 ケルバーダインは箱庭計画以前の人類が使用した、日用品により構成されている。
 かつての人類はその終末期、文明の利器の発達と引き換えに肉体が大幅に弱体化しており、自分の力でペットボトルのフタを開けることすらできなくなっていた。
 そのため全ての日用品にはナノマシンが組み込まれており、フタであれば回転、クリップであれば挟む圧力などの運動を補助する機能が備わっていた。

 これらの日用品を情報伝達可能な特殊接着剤「ゼノダイン」でつなぎ合わせ、大型の戦闘用強化素体として組み立てられたのが「ケルバーダイン」である。

 旧世界の日用品は未だに世界に溢れており、ゼノダインさえあれば用意に量産が可能である。
 
 特に「ハンドレッド」と呼ばれる大型の資源発掘遺跡「ダー・イソウ」「ゼー・リーア」「ワズー」「ギャンドゥー」などが数多く発見されたことで、誕生初期に比べケルバーダインは小型化・高性能化が進んでいる。

ケルバーダインへの搭乗「ケルバー・イン」「ケルバー・アウト」

 

 1/35サイズのケルバー素体の人間がケルバーダインに搭乗するとき、極小のナノマシンの集合体である素体は一時的に分子レベルまで分解され、ケルバーダイン正面の情報収集用高感度センサーから内部に浸透、ケルバーダインを自らの体として認識し、人体さながらの非常に自由度の高い活動が可能となる。

 ケルバーダインから搭乗者が降りる「ケルバー・アウト」するときは背部のエジェターから排出され、ケルバーは一瞬で再生構築され人の姿へと戻る。

 ケルバーダインへの搭乗プロセスはケルバー・イン、ケルバー・アウトと呼ばれており、より簡略化され一般には「イン」「アウト」としか呼ばれないことが多い。

ケルバーダインの姿を決める「「構成親和率(ミキシンクロレート)」

 ほとんどのケルバーダインはずんぐりとした体型の、ディフォルメされた人型をしている。
 これはケルバーダインの特性である「構成親和率(ミキシンクロレート)」から逆算された最適解による姿である。

 簡単に製造可能で、性能も高いケルバーダインだが、大きな欠点があった。長時間インしたままだとケルバーダインのボディに素体の意識が完全に同化してしまい、ケルバーに戻ることができなくなり、人格を失って暴走を始めるのだ。
 
 暴走したケルバーダインを解析した結果、人型に近ければ近いほど性能は高まるものの、融合も早まることが判明。

 かといって、あまりにも人型からかけ離れてしまうと騎乗者がケルバーダインを己の体と認識することが難しく、上手く動かすことが出来ない。

 このバランスを計測する値が「構成親和率(ミキシンクロレート)」なのだ。
 
 用途により最適値に違いはあるものの、概ね搭乗開始時に70%前後であると最も安定した運用が可能であるとされており、多くのケルバーダインのが採用している体型はそこから導き出されたものであるのだ。

 ミキシンクロレートは長時間の搭乗や、戦闘行為で闘争本能が刺激されると上昇してゆく。

 ミキシンクロレートが90%を超えると極めて高い性能を発揮するが、100%に到達すると全身が発光しながら融合が始まり、150%を超えると完全に同化してしまい、ケルバーへの分離は不可能となる。
 
 リザレクトで製造されたケルバーダインにはミキシンクロレートが上がりすぎないように、リミッターや搭乗者の強制エジェクト機能など安全装置が組み込まれているものが多い。

ケルバーダインの塗装「RIC(リアルイマジネイティブコーティング)」

 ケルバーダインには様々な彩色が施されている。
 中には旧世界の通常兵器に施されていた迷彩塗装や、輝く金属的な塗装、華美な装飾など、ほとんど統一されていない。
 同一の部隊で運用されるケルバーダインでも、色はまちまちなことが多い。

 これはケルバー素体の持つ本能的な習性によるものだ。
 ケルバーの開発者であったH・テペーニン博士は20世紀後半から21世紀中盤にかけて流行した、プラスチック製の組み立て模型「プラモデル」の熱烈な愛好者であった。

 テペーニン博士はケルバーの構成要素の中に、自分の趣味を好むという要素を秘密裏に与えていたのだ。

 そのため、「プラモデル」でかつて高く評価されていた「迷彩」「キャンディ」「ウェザリング」「グラデーション」などの塗装で美しく塗り上げられたケルバーダインにインすると、ケルバーの意識が高揚し、ミキシンクロレートに頼らない性能向上が見込めるのだ。

 この塗装効果を「RIC(リアルイマジネイティブコーティング」と呼ぶ。

 ケルバーダインにはまるで鋼鉄で作られた旧世界の兵器のようにサビや下地がむき出しになっているように見えるものが多いが、これはもちろん全てRIC効果を得るために塗装で表現されているのである。

 RICが施されていない素体状態のケルバーダインは「パチ組み」「素組み」などと呼ばれ、性能を満足に発揮できないばかりか、騎乗者の構成情報に著しい悪影響を及ぼすことが知られている。

ケルバーダインの腕部

 ケルバーダインは戦闘用であるほど、腕自体が武器になっていることが多い。

 これには2つの理由がある。

 一つは、威力が純粋に向上すること。

 インした騎乗者はケルバーダインを自身の肉体として認識するため、武器が体とそのまま繋がっていると武器自体を自分の一部として扱うことができるので、威力が大幅に向上するのだ。

 2つは、ミキシンクロレートをいたずらに上げすぎないため。

 指を加えると人体へと大幅に近づいたと認識されるため、ミキシンクロレートが上がりやすいのだ。

 
 そのため、指を3〜4本に減らしたり、繊細な作業を必要とするマニピュレーターは片側のみに留められていることが多い。

 反面、長時間のインを必要としない、搭乗者のこまめな休憩が見込める作業用ケルバーダインは両腕にマニピュレーターを備えていることがほどんどである。

ケルバーダインのモデルチェンジ

ケルバーダインは長い年月の中で、モデルチェンジを繰り返しながらその姿形を変えていきながら運用されている

上はAD2360年に制作された初代バテス、下は再生構築歴に入ってから製造されたバテスである。

姿は異なるものの、機体の持つ基本的な目的や性能は代わっていない。

特定のモデルであるための厳密なパーツ規定などは無く、バテスであれば「おおむね、バテスの構造をとその活動目的を受け継いでいる」とみなされればバテスと見なされる。

これは他の量産型ケルバーダインでもほぼ同じである。

再生構築士の研究によると、ケルバーダインの持つ「名前」のイメージや歴史自体がある種の「リアルイマジネイティブコーティング」と同じ効果を持っており、性能にも影響を与えるという。

上は西暦2364年に制作された初代ドルトガ、下は再生構築歴に入って制作されたドルトガである。

ケルバーダインはモデルチェンジを繰り返すたび、よりその機体の特徴を先鋭化させてデザインが変化していく場合が多い。

ドルトガはその典型的なパターンである。元々バテスの遠距離砲撃型として開発されたが、時代が下るにつれて胴体にKACキャノンを搭載し、より移動砲台としての性能に特化したスタイルとなっている。

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