こんにちは!プロモデラー林哲平です。
今回はケルバーダインの特撮用にプレイベースを作ってみました♫
いわゆる、ゾイドバトルストーリーとかSF3Dの背景用ベースみたいなやつですね。
世界観に合った背景があると、モデルがグン!と生きてくるんですよ。
今回は簡単なプレイベースを使った、CG無しの昔ながらな模型の特撮写真撮影法について解説します♪
「模型」が「本物」に見える!特殊撮影の楽しみ
模型を完成させて、しっかりバック紙を敷いて撮影したんだけども。
もっと本当に活躍してるみたいに写真を撮りたい!って思うことありませんか?
こればブリアードを普通のグレーバックで撮影した状態です 。
これでも、まあいいっちゃいいんですが、ちょっと物足りないんですよね。
では、プレイベースに載っけて撮影してみましょう。
さっきの写真とは全然印象が違いますよね?
地面と背景が付いたことで、「縮小模型」から「リアルな本物」に見えてくるんです。
これはゴジラのミニチュアセットなどと同じ特殊撮影……つまり、「特撮」テクニックの基本でもあるのです。
プレイベースを作ってみよう!
それではプレイベースを製作してみましょう♫
まずは価格が安く、加工が簡単なスタイロフォームに模型を並べて、プレイベースで動かす配分などを考えます 。
少し大きめにスペースをとっておくと、後々撮影のとき自由度が高まりますが、かといってデカすぎると保管が大変なのがもどかしいところです。
スタイロフォームに0.3mmプラ板を両面テープで貼り付け、隙間をマスキングテープで埋めつつ、壁面をスプーンやマドラー、ヤクルトボトルなどでデコレーションします。
ケルバーダインは100均アイテムや日用品が満ち溢れている世界観なのでこのように作っていますが、 このあたりの装飾は撮影する作品の世界感に合ったものを使えばOKです。
プレイベースを作る上で重要なのが床を平らにしておくことです。
ここに構造物や凹凸の激しい地形を固定でセットしてしまうと、撮影シチュエーションの自由度が大幅に低下してしまうんですよ 。
特撮用プレイベースは一瞬を切り取るディオラマではなく、「演劇の舞台」であると覚えておいてください
プレイベースに置くための構造物、いわゆる「テレイン」を作ります 。
怪獣映画の特撮セットのビルや東京タワーのようなものだと考えてください 。
ケルバーダインは「未来の世界で1/35に縮小された人類が旧世代の日用品を組み立てて戦っている」という設定なので、日用品やヤクルトボトルなどを活用しています。
……いちいち作るのは面倒だったので、とりあえずモデラーの部屋にならどこでも転がっている定番アイテムをテレインに使ってみました♫
上に模型を載せて、具合をチェック。
この状態だとただの私の机の上でしかないので、塗装していきます♪
SF風に、全体を艶消しブラックで塗装し、Mrウェザリングカラーのマルチグレーを全体に塗り変化をつけます。
大面積を筆で塗るのは大変なので、ウェザリングカラーをぶちまけてからティッシュで伸ばし、スポンジを叩きつけて表情をつけています♫
テレインも同様に塗装します 。
大量のモノを手早くウェザリングするときは、下にトレイを引いておくとその中だけで作業でき、汚れが周りに飛び散らないのでオススメです♫
プレイベースの完成です!
ざっと黒く塗ってババーッ!と汚しただけですが、色が統一されるだけで日用品やプラモデル用お馴染みのアイテムがSF風の構造物へと早変わり 。
それではさっそく、ケルバーダインを乗っけてみましょう♫
プレイベースを使って特撮してみよう!
普通に上に置いた全体像 。
全景だと雑なディオラマにしか見えませんが……?
このようにアングルを工夫して、ベース以外の部分をカットしてみると…! SF風のバトルシーンへと早変わり!
模型、地形ともに固定していないので位置を変えれば対決シーンも簡単に視点切り替えできますし。
テレインを並べ替えたら「隙間から身を潜めて伺う」など、さまざまなシチュエーションにも対応可能ですし。
立ちのメインカットに使えば昔のプラモの写真箱風になったり。
横並びにすれば対決シーンになります 。
とにかく、プレイベースとテレインを上手く活用すれば、いろんなシチュエーションをリアルにお手軽に撮影することが出来るんです♫
なお、できる限りお手軽にやりたかったので、撮影にはスマホのカメラを使っております。
スマホは角度を手軽に変えられますし、手早くアングル違いの写真をたくさん撮影できるのでなにげに特撮撮影には便利なんですよ♪
「特撮とか、超高い一眼レフカメラが無いと無理なんじゃ……?」
とか思わず、あるものでパパっと撮影するでも全然OKで、手軽に楽しめるものでもあるんですよ。
分解可能にしておけば収納も簡単!
プレイベースの便利なところは、固定されていないので分解可能であり、収納スペースが少なくてすむところ です。
私は撮影スタジオの下にこんな感じに押し込んでおります。
プレイベースでアナログ特撮を楽しもう!
というわけでプレイベースでの特撮についてでした♫
月刊ホビージャパンの作例撮影でも、特撮は大きく活用されておりまして。
編集部の隣にプロカメラマンさんが常駐している撮影室があるのですが、そこには地面とか、岩とか、宇宙用の小惑星風ベースとか、いろんな撮影用のベースが追いてあり、今回はそれを使っての撮影のケルバーダインに応用した感じです。
今はフォトショップがあれば特撮風の合成写真は簡単に作れるようになりましたが、昔はそういう便利な画像編集ソフトが無かったため、タバコの煙で噴煙を再現したり、モニターカメラ越し風の写真を撮影するために、一度撮影した写真をテレビに投影して、その画面をさらに撮影したり……いろんな工夫がされてたと伝え聞いております。
プレイベースを使った伝統的な特撮テクニックはちょ〜っとベースはかさばりますが、一度作ればいろんなものに応用できるので気になる人はぜひ試してみてくださいね。
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