ケルバーダインや、箱庭都市の崩壊以後に建造された都市に多用されている素材がLBDボトルだ。
ある程度の強度を保ちつつも薄く、加工しやすく、かつ軽い。
ハンドレッドからは採掘されないものの、旧人類居住区から数多く産出されるため流通量も多く、再生構築世界においては極めてポピュラーな資源となっている。
今回はLBDボトルの種類とルーツについて解説する。
LBDボトルの種類
一見、同じように見えるLBDボトルだが、数多くのバリエーションが存在する.
これは製造メーカーごとの違いであると考えられており、材質的にはほぼ同じである。
Y型
最も多く産出されるスタンダードなもの。
再生構築歴以降に誕生した若いケルバーの中にはY型のLBDボトルしか知らないものも多く、基礎教育の強化を求める声が年々強まっている。
P型
直線的な形状が特徴である。
一般的にY型より使い所が難しい玄人向けの素材とされるが、熱狂的にP型を愛好する再生構築士も存在すると言われている。
C型
Y型に似ているが、複数の段差があるなど細かな形状に違いがある。
上部の飲み口周りのディテールを活かし、エジェクターに使う再生構築師が多い。
特殊型LBDボトル
LBDボトルはY型が基本とされているが、その類型に当てはまらない特殊な形状の容器も存在している。
今後も旧世界の人類居住区の探索が進むにつれ、新たなLBDボトルの発見が期待されている。
Y1000型
通常LBDボトルよりも大型で、ゆるやかな曲線と細長いシルエットが特徴。
産出量が少なく、通常のY型の上位互換製品であるとの説が根強い。
YJ型
ドラム型の形状が特徴
状態の良いものにはストローが付属していることがある
LBDボトルのルーツとは?
ケルバーの生活に欠かせない資源であるLBDボトルであるが、これは元々旧人類が愛飲していた乳酸菌飲料の容器である
21世紀中盤から新生児の虚弱化が大きな問題となっていたが、原因の一つが腸内細菌の減少であった。
人体は単体で成立しているのではなく、数多くの細菌や微生物が体内に共生しており、それは地球全体の生態系にも等しいものだ。
20世紀に入ると殺菌効果のあるペニシリンなどの抗生物質の普及により、結核など細菌性の感染症による死亡者は大幅に減少した。
だが、抗生物質は人間と共生関係にある乳酸菌などの腸内細菌も無差別に殺菌してしまう難点があったのだ。
人体の健康を保つ重要な臓器である腸内のバランス……いわゆる「腸内フローラ」の崩壊により、人類は潰瘍性大腸炎やクローン病、全身性エリテマトーデスなど免疫機能の異常による自己免疫疾患に悩まされることになった。
22世紀に入るころには人類の腸内環境は壊滅状態となっており、生存のためには外部からの乳酸菌補充が必須となっていたのである。
手軽に腸内環境を整えることができる乳酸菌飲料は旧人類の生活必需品であり、研究者によるとLBDボトルを家庭や企業に配達する専門職がすでに20世紀中盤をすぎる頃には存在していたという。
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