ケルバーダイン ズーブン作業型(AD2380年製) バトルストーリー第17話「開拓都市建設」

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ズーブン作業型 バトルストーリー (AD2381年『開拓都市建設』)

風が接着剤の匂いを運んでくる

ここは箱庭都市グロッフより南部の開拓地

グリト・グペインとバーリンドの二人が率いる第七エグゼクト開拓団が、新たな都市の基盤を築いているのだ

この場の主役は、あちこちで忙しく働いている、丸っこいケルバーダインだ
両腕を器用に使いながら、建物を作り上げていく

「あのケルバーダイン、なかなかのものだな」

「ああ。見て、あの精密な動き」

ミキシンクロレートが上がりすぎたのだろう
ときおり、ズーブンは動きを止め、パイロットが分離して、休憩を取っている
だが、作業は止まらない
交代制で、効率よくチームが動いている

「あのズーブンが、母さんのプロージェから生まれたケルバーダインだなんて、ちょっと今でも信じられないな」

グリトがバーリンドに言う。彼の声には複雑な感情が交じっている

「そうだな。だが、あれは新しい希望の象徴だ。シェラルドさんも喜んでいるだろう」

「それはない。母さんだったら、すぐズーブンを分解して調べるに決まっている。「私の傑作を汚したのは誰だ!」って」

バーリンドは肯く

「そうだな。だが、コイツを設計したヤツもシェラルドさん並みの天才だな。グロッフにこれほど腕利きの再生構築士がいたとは」

「誰だろう。僕も思いつかないな」

都市の命運を握るズーブンは、シェラルド・グペインの遺産、プロージェの設計を受け継ぎながらも、その呪われた過去を乗り越え、平和の礎を築いている

と、二人の間を猛スピードで子供が駆け抜け、作業中のズーブンに向かって猛ダッシュする

「ケルバーダインだ!いっぱいだ!みきしんぐびるど!」

「ミゲル!危ない!こっちに戻ってきなさい!」

グリトが子供の襟首を掴もうとするが、すんでのところで逃げられてしまう

「あのケルバーダインはかっこわるい。バリゴがいい」

バーリンドの手を握った子供がブスっとした顔で文句を垂れる

「いいかブランゾワ、ケルバーダインは見た目だけじゃない」

そのいかつい見た目からは創造できない優しい声で、バーリンドは息子に語りかける

「みんなが暮らす新しい街……エグゼクトシティを作っている。どんなケルバーダインよりも
かっこいいと思わないか?」

新しく生まれた命が、新しいケルバーダインを見て、笑い、想う

日は西に傾き、夕焼けが新たな建設地を赤く染め上げる

ズーブンが築く街の影が長く地に落ちる中、グリトとバーリンドは子共たちに翻弄されながらも、確信していた

今、確実に自分たちは前へと向かっていると

エグゼクトシティは平和へと繋がる橋頭堡であり、新たなる歴史の始まりの場所となることを

ズーブン作業型機体解説

ズーブンは主にグロッフを中心とした旧箱庭都市連合で開発されたケルバーダインである

シェラルド・グペインが制作したプロージェの設計を簡略化して扱いやすくした機体であり

素材として、旧人類の遺跡から大量に発掘されるGCHカプセルやPLAスプーンを使用することにより小型化と軽量化、大量生産を可能とした

汎用性が高いため、様々な用途に使用されている

このズーブンは精密作業をこなせるように、両手に指がついた腕が装着されたタイプである

ケルバーダインは両腕に指があると人体の構造へと近づき、ミキシンクロレートの上昇率が高まるため騎乗時間は短くなってしまう

だが、不足の事態に備えなければいけない戦闘用と違い、作業用では休憩を挟むことが可能であるので、両腕指が採用されている場合も多い

ズーブンは後のリザレクト首都となる箱庭都市グロッフよりエグゼクト開拓団に大量に供給され、各地で開拓都市を築く礎となった

また、ハンドレッドから採掘された素材を用いて本格的に量産された初のケルバーダインであり、その設計思想は後のケルバーダイン再生構築法に大きな影響を与えた

ズーブンは再生構築歴に入った後もバリエーションを着々と増やしながら、ミキシングワールド中でその姿を見ることができる

ズーブン作業型の再生構築過程はこちら

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