ミキシングワールド列伝② シェラルド・グペイン 〜ミキシングワールドを揺るがした再生構築士〜


シェラルド・グペインは、ミキシングワールドの歴史において、ケルバーダインの開発と進化に多大な影響を与えた再生構築士である。

「テペーニンの再来」とも称される才能の持ち主であったが、その経歴は血に塗れており、MC2341年現在は数少ない知性あるガイストダインとして大きな存在感を放っている。

目次

誕生〜再生構築士へ

シェラルド・グペインは、ミキシングワールド初のガットスレイヤーとして知られるオルガ・グペインの娘として、AD2321年に誕生した。

母オルガはAD2325年のガット討伐戦で戦死しており、シェラルドが母から直接的な影響を受けた期間は短い。

シェラルドが再生構築士として活動を始めた正確な時期は不明であるが、英雄視される母の存在や、ケルバーダイン技術に触れる環境が彼女の進路に影響を与えた可能性は否定できない。

RIC理論の確立とケルバーダイン開発

シェラルドの重要な功績として、「RIC(リアルイマジネイティブコーティング)」理論の確立が挙げられる。

これは、ケルバーダインの彩色が騎乗者の意識に作用し、性能を向上させるという現象を発見・体系化したものである。

シェラルドは自ら開発したケルバーダイン「グロッド」に、当時一般的ではなかった金属的な彩色「メタリックカラー」を施し、その高い性能を実証した。

これによりケルバーダインの彩色は多様化し、性能向上のための新たな方向性が示された。

結婚と家族

シェラルドは、自身が開発したモールタイプの試作機「オーヴォル」のテストパイロットであったラズと出会い、パートナーとなる。

二人の間には息子エルク、そしてグリトが生まれた。

他者との関係構築に難があったとされるシェラルドにとって、この時期は比較的穏やかなものであったと考えられている。

家族の死

AD2351年の「プロージェ事件」後、シェラルドは逆恨みしたケルバーによって工房を襲撃され、火災が発生。

この事件により、夫ラズと息子エルクを失う。

この出来事はシェラルドに大きな精神的影響を与え、後の行動に繋がったとされている。

エグゼクト革命軍創設とケルバーダイン開発

家族を失った後、シェラルドは若いKGたちを集めて武装集団「エグゼクト革命軍」を創設。

対ケルバーダイン戦闘を前提とした「バテス」や、遠距離砲撃型の「ドルトガ」など、従来のケルバーダインとは一線を画す機体を開発した。

特にバテスに搭載された火炎放射器「KACキャノン」は、当時のミキシングワールドでは禁忌とされていた武装であり、彼女の思想を反映したものと言える。

ガイストダイン化

AD2364年、箱庭都市グロッフとの和平式典の最中、シェラルドはバテスで暴走し、ドルトガの遠距離射撃によってバテスは破壊された。

しかしシェラルドは死亡しておらず、ケルバーダインとの融合限界を超えて自己再生・自己進化能力を持つ不死身の存在「ガイストダイン」へと変貌していた。

かつて家族と住んでいた箱庭都市ドーファルインに現れ、殺戮の限りを尽くすが、最終的にグリトが騎乗するオーヴォルによりレジン川へと滑落、行方不明となった。

彼女のガイストダインは「グラッズドレア」と呼称される。

ガイストダイン事件後の動向

長らく消息不明であったが、アニミート大遺跡地帯に「グペイン再生構築研究所」を再建し、生存していることが確認された。

これはケルバーダイン専門誌「KDJ」に彼女が研究記事を寄稿したことがきっかけである。

ガイストダインとしての無限の寿命を活用し、ケルバーダインとミキシングワールドの研究を続けているとされる。

偏屈な性格は変わらず、彼女に協力を求める者は多いが、その要求が満たされることは稀であり、気に入らないものは、生きながらケルバーダインの材料にされると言われている

MC2041年時点では、エグゼクトに対して敵対的な姿勢を見せている。

これは、彼女の末裔であるグペイン族がエグゼクト統一戦争でゼノヴァに敗れ、エグゼクトシティ追放後より差別的な扱いを受けていること。

そしてもう一方の末裔であるバーリンド族がリザレクトに協力しているためとされている。

外見的特徴

シェラルドの外見は、背が低く、短めのツインテールに白衣を着た少女のような姿である。

これは外見変更スキンを受け付けない特殊な体質によるものであり、本人はこの外見に強いコンプレックスを抱いていたとされる。

ツインテールは、亡き夫ラズの好みであり、彼の死後もその髪型を続けているのは、彼への想いが理由であると推測されている。

シェラルド・グペインの影響

シェラルド・グペインは、RIC理論の確立や数々の革新的なケルバーダイン開発により、ミキシングワールドの技術史に大きな足跡を残した。

一方で、彼女の行動は多くの混乱を引き起こし、ガイストダインという異質な存在を生み出す結果ともなった。


彼女の存在は、ミキシングワールドの技術発展と混乱の両面に関わっており、その知識と能力は今後のミキシングワールドの情勢に影響を与える可能性を秘めている。

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この記事を書いた人

徳島県三好市三野町生まれ
2005年より模型専門誌月間ホビージャパン編集部に所属
プラモデルを作る専門家「プロモデラー」として、公私共に3000体を超えるプラモデルを制作
プラモデル技法書「ガンプラ凄技テクニック」シリーズ6冊を執筆
「誰もが、思い切り自由に作れる作れる模型」をテーマに、ケルバーダインの制作、普及活動に奮闘中

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