再生構築機界の生物をクローズアップする「BLOOD CLASH！！ 真・再生構築機界動物誌」
今回は「ガット」について。
ミキシングワールドの生態系の頂点に君臨するその力は絶大であり、一撃でケルバーダインをバラバラに破壊するほどだ。
いかにして、ガットは世界最強の生物へと上り詰めたのか？ その歴史を振り返ってみよう。
ガットの習性と特徴
ガットは旧人類の分類において、食肉目に属する肉食性の哺乳類である。
大型のものでは尻尾まで含めて、ケルバーダインの平均的な全高である20cmの3倍以上を誇る70cmにも成長する。
瞬発力が高く、1〜2ｍの高低差を軽々と跳躍し、疾走速度は瞬間時速48kmに達する。
しなやかで強靭な肉体を持ち、鋭い爪が突き出た強靭な腕の一撃、牙による噛みつきを受けると強力なケルバーダインでもあっという間にバラバラになってしまう。
ガットの主食はケルバーにとってはライオンにも等しい、ギチやザンティスなどの昆虫を捕食するロデラであり、まさに生態系の頂点に君臨する生物であるのだ。
幸い、ガットは縄張りを持つ生物であり、自分の縄張りからはほとんど出てこない。
縄張りを主張する、禍々しい爪の研ぎ跡に近寄らなければガットを避けることはそう難しいことでは無いのだ。
なぜ、ガットが最強生物になったのか？
なぜ、ガットは他の大型肉食動物と違い、再生構築歴まで生き延びることができたのであろうか？
旧人類が農耕を始め、文明を築き始めた時代。旧人類は保管した穀物を食害する、ロデラによる被害に悩まされたという。
そのロデラを捕食するために食料庫の近くにガットが住みつき、ロデラを駆逐するために飼育されはじめたのが旧人類とガットとの関わりの始まりであった。
最古の飼育例は9800年前と記録されており、現在のガットとして固定化されたのは3300年前であると言われている。
産業革命や情報革命時代を経て、長い人類史の中でガットは全世界に広まり、野生化して在来の小動物を数多く絶滅させた。
本来であれば外来生物として駆逐されるはずが、信じられないことに旧人類はガットに強い愛着を抱いており、「可愛らしい」という理由で見逃されることが多かったという
2200年の箱庭計画発動当時はすでに鳥類や中型以上の哺乳類は絶滅していたが、万が一にケルバーに害が及ぶことを考慮し、危険を及ぼす可能性のある動物は愛玩用にいたるまでほぼ根絶された。
本来ならばガットもこのとき根絶されるはずであったのが、「可愛らしい」という理解しがたい理由で野に逃された個体が生き延び、旧人類が消えた世界で王者として君臨することになったのだ。
現在、ミキシングワールドにおいてガットよりも大きい生物は陸上には存在しない。
ガットの種類
ガットは基本的に遺伝的に交配可能な同種であると考えられるが、その姿は多用である。ここでは有名なガットの種類を紹介する
■ブラックガット
漆黒の体毛を持つガット。再生構築機界北部のリザレクト勢力圏では不運の象徴とされているが、南部エグゼクト勢力圏では幸運の象徴とされている
■ホワイトガット
白い体毛のガット。激高しやすく、好戦的な性格をしていると言われている。
■ブルーガット
灰色の体毛を持つガット。幼体では瞳が青いが、成長するとエメラルドグリーンになる。
■トリプルガット
白い体毛に、茶、黒の模様が入ったガット。ほとんどはメスであり、オスのトリプルガットは極めて希少であるという。
■グレーターガット
20年以上生きたガットは知性を獲得し、より上級の存在であるグレーターガットへと変化するという伝説がある。尻尾が二股にわかれ、人語を解し、ケルバーダインにも騎乗可能であるという。わざわざ自分より弱いケルバーダインになぜ騎乗するかという理由はわかっていない。
討伐者「ガットスレイヤー」
絶大な力を持つガットであるが、幸いなことにケルバーとは生活域が違うため、縄張りに入らなければまず出会うことは無い。
だが、ガットが箱庭都市に住み着く事例や、専門にケルバーを狙って狩るガットもわずかながらに存在するため、戦いが避けられない事態もある。
ガットの戦いは困難に満ちたものだが、それを乗り越えてガットを討伐したケルバーには「ガットスレイヤー」の称号が与えられる。
さらに英雄の証としてガットの耳と尻尾を模した装飾品「ガットイヤー」「ガットテール」の装着が認められるのだ。
かつて、若き日のエグゼクト大総統ぜノヴァがブラックガットをたった一人で討伐したとき、英雄と讃えられながらも、ガットイヤーとガットテールの装着は謹んで辞退したという美談が伝わっている。
ガットとの戦いは続く
かつてはガット一体の討伐に何十体ものケルバーダインが必要であった。
だが、再生構築歴に入ってからはケルバーダインの性能が向上し、ガットへの対策も体系化されたため以前ほどの驚異では無くなったとの声もある。
それでも、ガットが再生構築機界最強の生物であることには変わりない。
ガットの縄張りには絶対に近づかないように！
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